古代エジプトの王子として育ったモーセ(声 / ヴァル・キルマー)は、自分が実は奴隷の子どもであると知り、かつては仲の良かった兄ラメレス(声 / レイフ・ファインズ)との確執も手伝い、やがて王家を出て放浪の旅に出て、奴隷解放のために立ち上がり、王座に着いたラメレスと対峙(たいじ)する。 旧約聖書「出エジプト記」の聖者モーゼの伝説。映画『十戒』でもお馴染みの題材を、ドリームワークス社が4年の歳月をかけて完成させた長編アニメーション超大作。CGをフル活用しての馬車の疾走シーンや、クライマックスの真っ二つに割れる紅海など、ダイナミックな映像を実写版と見比べてみるのもお楽しみ。ヴォイス・キャストも上記の他にミシェル・ファイファー、サンドラ・ブロックなど実に豪華だ。ホイットニー・ヒューストンとマライヤ・キャリーが歌う主題歌「ホエン・ユー・ビリーブ」はアカデミー賞オリジナル歌曲賞を受賞。(的田也寸志)
安っぽい宗教アニメ
半世紀以上昔ならば、いざ知らず。 今どき『出エジプト記』に取材したユダヤ・キリスト教の宗教宣伝アニメなど何故に作ったのでしょうか? 出来映えも安っぽいし、ヘブライ人のカナアン侵略を正当化するような作品で、教育上もよろしくありません。 これまで世界中に蔓延して来た「排他的唯一神教の迷妄」を、これ以上ひろめない為にも、この種の野暮ったい宗教色の強い偏向した作品は制作を中止して貰いたいものです。
語り継ぐユダヤの伝説
ドリームワークスを主催するスピルバーグが、ユダヤの誇りをかけて挑んだ壮大な叙事詩。後世に語り継ぐべき伝説を、目にも彩な色彩と、迫力の映像で再現しています。 日本製アニメとの違いを改めて感じました。繊細で美しい動きや、デフォルメの仕方。昔のディズニーを思い出します。大きな特徴は音楽と動きの相乗効果。ミュージカルの空気を、上手く表現しています。お祭りでのダンスシーンは、感動のあまり涙が出てきました。こうした見せ場がいくつかあります。 クレジットを見ると、シークエンスごとにチームを組んで制作したようです。各人が一つの場面に集中出来るため、質の高いものが作れるし、他との対抗意識から切磋琢磨が生まれます。観客としては、多彩な表現を一つの映画に見出せる。こうした考えに基づく、お金と人材の使い方は、さすがハリウッド。 声優も一枚看板のスターばかり。(ミシェル・ファイファー、サンドラ・ブロック、レイフ・ファインズ、ヴァル・キルマー、ジェフ・ゴールドブラム等)優れた脚本を、抜群の演技で立ち上げます。 特に印象的だったのは、ミシェルとサンドラの歌唱対決。ルックスに惑わされず、役者の本領が確認出来ました。プロの歌い手のような声ではありません。けれど、とてもソウルフル。作品の規模に負けない力強いデュエットです。 物語が進むにつれて、これは実際に起こったことなのだという気持ちが湧いてきました。この不思議を、子々孫々まで伝えようとする、民族の意思。それが数千年の時を経た、現代まで続いている。 すごいことです。
DreamWorks初のアニメは◎!
スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンバーグ、デヴィット・ゲフィンのSKG組により設立された新会社DreamWorksの初の長編アニメ。初というだけあってこだわりの一作となっている。独特の画風はもとより、自由自在にぐるぐる回るカメラワークや、CGをがなければ実現できないシーンの効果のよさ。そしてハンスジマーの激しく、力強いサントラがストーリーを盛り上げてくれる。
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