宮廷料理人ヴァテール [DVD]



宮廷料理人ヴァテール [DVD]
宮廷料理人ヴァテール [DVD]

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我々には想像も付かないフランス絶対王政最盛期の宴

ヴェルサイユ宮殿を建築したことでも名高いルイ14世を賓客として招く3000人とも言われる宴を催した老シャンティイ公の料理人ヴァテールの物語である。
この宴の予算は現在に換算すると3兆円に相当するというのであるから、その桁外れぶりが窺い知れる。

ルイ14世の寵愛を受けようとする王妃女官アンヌが実はヴァテールに恋心を抱くという基本ストーリーに宮廷を取り巻く人々の愛憎が入り混じり物語は進行していく。
残念ながらそのストーリー展開は私としては興味をもてず、まあこの頃の貴族は労働するのが仕事ではなくて、日々宴会と恋愛を繰り返していたのだろうから、複雑な人間関係模様になったのだろうなと思うくらいであった。

この映画の楽しみ方は、フランス映画(実際には米仏合作)としては空前の40億円の制作費を投じられた宴の再現であろう。
東京ディズニーランドのエレクトリカルパレードなどを最初に見たときにはその壮大さにびっくりしたという記憶があるが、330年前に既に花火をはじめとする大仕掛けのアトラクションがそれもかなりの技術的レベルで催されていたということに驚嘆する。
絶対王政期の絶頂の再現の映画と観るだけで、十分視覚的に観る価値はある。

狩り、カードゲーム、宴、アトラクションの鑑賞、恋愛、貴族たちは楽しむことに勢力を傾ける。この辺は現代の金持ちの行動にも通じるものがあるが、シャンティイ公が重度の通風に苦しむのを見たりすると、ただ単に堕落し、自らの命も縮めているだけだという気がした。

ヴァテールはこの映画では宮廷料理人というよりはイベントプロデューサーという感じであったが、実際にはこの宴のために14日間不眠不休であったと聞く。それだけに最後の悲劇的な結末は彼の覚悟の裏返しであったのかなと思える。
恋愛ものを期待する方には不向きな映画。



むむむ!

この映画は実に評価に苦しむ。
最初にこの映画を見始めたとき、英語で話しているのには驚いたが、固有名詞はフランス語の発音を取り入れているため、大目に見てもいいかな、と思った。
時代考証なども概ねしっかりしており、フランスの宮廷社会の構造、風俗など当時の貴族たちや庶民の様子はよく描けていると思う。

しかしながら、花火を使ったスペクタクルシーンで使った音楽がよくない。ヘンデルの『王宮の花火の音楽』のパクリで、50年以上後のものだ。またカストラート(去勢歌手)に歌を歌わせているが、ルイ14世はカストラートが嫌いだったはず。そこらへんがちょっと怪しい。

私の場合あとからこの映画のキャッチコピーを聞いたので、そのあまりの大袈裟さにかえって驚きました。私のような、ただヨーロッパの歴史物が好きな人にはいいかもしれませんが、変に陰謀だの、死の謎だのミステリーを期待すると当てが外れますね。
セットや衣装は豪華。おののき。

ルイ14世を、招き入れた領主のために、ヴァテールが、力を尽して3日間の饗宴を担います。
その、大袈裟すぎる饗宴騒ぎは、ある種、歴史的記録として拝見することに価値があると思いました。
あの当時、これほどまでの手の込んだ細工を、人力でしていたのですから。

ただ、そこに、王の寵愛を狙って、自分も地位を高めたいと考えている女性とヴァテールの恋愛が絡んで来るのですが、本当にあの女性は、ヴァテールを愛したのであろうか?と愚問が残りました。
この映画には、恋愛はからめない方が、深みが出たのではないであろうか??とちょっと残念でした。

でも、再現記録映画と考えると、あの饗宴は、本当に凄いです。
明暗、表裏。

一見、すごく華やかな場面が多く思われますが、華やかであっても本当にその場の人にとって楽しい時であるか、あるいは質素で地味な場面であってもその場にいた人にとって至福の時間かもしれない、そういう場面だけでは表象されない人間関係が上手く描かれていると思います。所詮、天才料理人ヴァテールも雇われ身、今の自分と時代や背景が変わっても共通した部分を見出せるのでは?
料理人の話に強引に持ち込まれた陰謀

「ソムリエの原型」「ホイップ・クリームの創作」で知られるヴァテール。そのヴァテールの指揮する3日に渡る大饗宴。そんなキャッチに惹かれて、公開当時から見に行きたかったのだが都合で行けなかった。そんななか DVD の発売で即座に購入したのだけれど…。

あまりにつまらない。

ヴァテールという人物は確かに興味深い人物だと思う。しかしこの興味深い人物を「映画」で表現するときに「陰謀、裏切りなど、様々な欲望」(DVD の帯より)などというものを持ち込む必要はなかった。そんなものを持ち込みたいのなら「ヴァテール」をテーマにする必要もない。

せっかくの魅力的なテーマが全く消化されていない凡作になってしまっていて、非常に残念だ。



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